グルテンは、パンや麺類・お菓子などいつでも手軽に食べられる食品ほど多く含まれる傾向があります。
残念ながらグルテンは熱では消滅しないので、加熱したり調理方法を変えてもなくなることはありません。さらに一部の化粧品・サプリメント・医薬品にも使用されているからビックリです。
グルテンに対する耐性やアレルギー症状には個人差があるので、原材料をよく確認し、自分にあった食品を選ぶようにしてください。
※小麦アレルギーの方にも参考にしていただけるよう、グルテンを微量に含む食品も掲載しています。
主食
グルテンフリーをはじめると最初にぶつかる大きな壁が「主食」です。
こんなにも多くの小麦製品が日本の食卓に並んでいます。
パン類 |
| 麺 類 |
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イタリアン |
| シリアル | |
和食系 | 粉もの |
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米粉パンには注意 ※
市販されている「米粉パン」の多くには、グルテンが含まれています。ほとんどが「米粉を配合したパン」であってグルテンフリーではありません!また原料にグルテンが含まれていなくても、小麦製のパンと同じ調理器具を使うと微量の小麦が付着している場合もあるので注意が必要です。
蕎麦(そば)と十割そば ※
市販されている蕎麦のほとんどは、小麦粉とそば粉をミックスして作られます。そば粉100%の十割蕎麦はグルテンフリーですが、お店で十割蕎麦を食べる場合、同じ釜で他の麺を茹でている可能性が高いので注意が必要です。茹で汁には小麦粉が溶け出しています。
コーンフレーク ※
コーンフレークに記載されているアレルギー特定物質等27品目は「大豆」のみです。ただし市販されているコーンフレークの多くは「麦芽エキス」を含んでいます。「麦芽エキス」は大麦を糖化させ、ろ過したものなので「大麦」に心配がある方は注意してください。
オートミール ※
オートミールは「オーツ麦」を加工して作られているので、本来はグルテンフリーです。ただし「オーツ麦」は小麦・大麦・ライ麦と同一工場で加工されたり、小麦を栽培する畑と近くで栽培されることが多いのでコンタミネーションへの注意が必要です。
※オーツ麦に含まれるタンパク質「アベニン」はグルテンと似ているので、交差反応を起こすことがあります。
カレーについて ※
一般的な日本のカレーやシチュー、グラタンなどのホワイトソースにはトロミを出すために小麦粉が使われています。市販されているルウのほとんどの商品にも小麦が含まれます。タイやインドなどのアジア系カレーには小麦不使用のメニューもあります。
和食系の料理 ※
牛丼・親子丼・鰻の蒲焼きなどには、味付けに醤油が使われています。
「醤油」は食べても大丈夫?
厚生労働省の見解では「醤油」は小麦アレルギーの方も摂取可能としています。製造の発酵過程で、小麦タンパクが完全に分解されると考えられているからです。
ただし実際は、個人差がかなり大きいです!
「醤油」の最もポピュラーな製造方法「本醸造方式」では、蒸した大豆(脱脂加工大豆)と炒った小麦をほぼ等量ずつ混合し、種麹を加えて
つまり「醤油」の原料の約半分が「小麦」で、さらに使用される小麦の多くはカナダ産やアメリカ産です。
「押麦」「もち麦」は大麦の一種
「グルテン」は厳密には小麦にしか存在しないタンパク質ですが、小麦と大麦のタンパク質は構造が似ているので、小麦アレルギーの人が大麦を食べた場合にアレルギー反応を起こすことがあります。これを「交差抗原性」と呼びます。
うるち性の大麦である「押麦」、もち性の大麦である「もち麦」はどちらも大麦の一種なので、「交差抗原性」に個人差があります。
食べても大丈夫な人と、そうでない人がいるので、グルテンに過敏な人は注意が必要です。
おかず類
肉や魚、野菜など素材そのものはグルテンを含みませんが、飲茶の皮、肉のつなぎ、カレーのルゥ、フライの衣など、調理の工程に多くの小麦が使われています。
揚げ物について ※
「パン粉の衣」の原料は小麦粉です。唐揚げやポテトフライは小麦不使用の場合もありますが、同じ油でコロッケなどを揚げると、その油には小麦粉の成分が溶け出しています。アレルギー表示がOKでもお店で食べたり購入する場合には注意が必要です。
ハンバーグ等のミンチ料理 ※
ハンバーグ・ミートボール・つくね・ロールキャベツなど挽肉を使った料理の多くは、小麦粉やパン粉をつなぎに使っています。自宅で作る場合は、つなぎを工夫すればグルテンフリーで美味しく作れます。
ムニエルとソテーの違い ※
魚の切り身に「小麦粉」と調味料を振りかけてバターで焼く調理法を「ムニエル」、肉・魚・野菜をバターや油を用いて短時間で炒める調理法を「ソテー」と呼びます。お店で食べる場合、アレルギーがある方は小麦粉を使っていないか確認することをオススメします。
副菜・サラダ
加工肉や練り物のつなぎ、食品をトロトロ・モチモチにする添加物(乳化剤・増粘剤など)、安い食品のボリュームアップなどに小麦が使われています。
素材そのものはグルテンフリーでも調味料に含まれている場合もあります。
ちくわについて ※
ちくわに関してはアレルギー表示に「小麦」と表記があっても「つなぎに小麦が使用されている」「醤油に小麦が含まれる」「小麦由来の加工でん粉が使用されている」など理由が様々です。
醤油と加工でん粉については、アレルギーの症状によって「除去する/しない」が分かれますので、不安がある場合は製造元に問い合わせてください。
加工肉 ※
原料の「肉」はグルテンフリーですが、ハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工肉には「小麦」を含む商品が多くあります。同じメーカーから発売されていても、商品によって異なるので注意してください。
料理の素 ※
日々の料理を楽にしてくれる商品の多くにも、小麦粉が使用されています。ラベルのアレルギー表示に「小麦」と書かれていても「調味料の一部(醤油など)に含まれているだけ」の場合と「トロミ付けのために小麦粉が含まれている」場合があります。
アレルギー症状には個人差があり、特に醤油に関しては「除去する/しない」が大きく分かれます。原材料をよく確認して、自分の生活や身体にあった商品を選ぶことをオススメします。
ドレッシングやマヨネーズ ※
原材料に「小麦」の表示がなくても、ドレッシングの材料に「穀物酢」や「醸造酢」が使われている場合は「大麦」が原料の可能性があります。
「小麦」と違って「大麦」には表示義務がないため、ラベルを見ただけではわからない点が厄介です。もしも不安がある場合は製造元に問い合わせてみてください。
お菓子・おやつ類
スーパーやコンビニで売られている大半の菓子類には小麦が含まれています。
スナック菓子は「原料に小麦が使われている」場合と「味付けに醤油が使われている」場合があります。
和菓子は安心なイメージがありますが、どら焼き・鯛焼き・カステラ・饅頭の皮は小麦粉が原料です。
スナック類 ※ | 洋菓子 |
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和菓子 | |||
その他 |
スナック菓子/せんべい類 ※
ポテトチップ(じゃがいも)、コーンスナック(とうもろこし)、せんべい(米)が主な原料ですが「コンソメ味」「期間限定味」など味付けに小麦が含まれている商品が多いです。原材料だけでなく調味料や添加物に注意してください。
※「プリングルズ」はじゃがいもに小麦粉を混ぜて成形されるので、味付けに関係なくNGです。
饅頭(まんじゅう) ※
※団子は上新粉や白玉粉で作るので基本グルテンフリーですが「みたらし団子」は味付けに醤油が使われています。
準チョコ菓子 ※
通常、チョコレートの原材料に小麦は含まれません。ただしクッキー・ウエハース・コーンパフなどが入っていると、グルテンフリーにならないので注意してください。
アイスクリーム ※
アイスクリームそのものはグルテンフリーですが、アイスをのせるコーンの主原料は小麦粉です。最中(もなか)の皮は本来「もち米」から作られますが、市販されている最中アイスは小麦粉が原料であることが多いです。フレーバーや種類に注意してください。
カスタードプリン ※
卵・生乳・砂糖から作られるプリンは基本グルテンフリーです。ただしチョコレート味や抹茶味など、イレギュラーな味のプリンには小麦が含まれる場合があるので注意してください。