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小麦アレルギーがおきる仕組みと治療法に関する最新情報

小麦アレルギーとは?検査方法と治療法に関する最新情報

日本における3大食物アレルゲンは「鶏卵・乳製品・小麦」です。以前は「鶏卵・乳製品・大豆」でしたが2000年代に入ってから小麦が大豆を抜き、18歳以上においてはアレルゲン第1位となりました。

乳幼児期に発症した食物アレルギーの多くは、成長とともに寛解していく特徴がありますが、「小麦アレルギー」に関しては成人してから発症する例も増加しています。

一般的に、成人になってから発症した食物アレルギーは治りません。

古くからパン屋喘息(Baker’s Asthma)は知られていましたが、昨今の小麦アレルギーの急増は、世界的にも深刻な問題の1つとなっています。

出所)2018年度 食物アレルギーに関連する商品表示に関する調査研究事業報告書
(独立行政法人国立病院機構相模原病院)
  • 18歳以上群で大豆アレルギーの再増加も注視されています。特に「豆乳」へのアレルギー報告が増えています。




小麦アレルギーがおきる仕組み

小麦アレルギーがおきる仕組み

小麦アレルギーを引き起こすのは、「アルブミン」「グロブリン」「グリアジン」「グルテニン」という小麦に含まれるタンパク質であることが分かっています。

小麦のタンパク質を「異物」と認識し、カラダから排除しようとすると、アレルギー反応が引き起こされます。

風邪を引いたときに、鼻水や咳が出るのと同様の「免疫反応」ですが、なぜ特定のヒトにだけアレルギー症状が起きるのか?は未だに判明していません。

小麦アレルギーの約3割の方は「水に溶けるタンパク質」に反応して免疫反応が起こります。

残りの約7割の方は「水に溶けないタンパク質(グルテン)」に反応、もしくは両方に反応します。

小児期に小麦アレルギーを発症すると、アトピー性皮膚炎になりやすいことが知られています。

経皮感作が原因の場合も

長い間、食物アレルギーは「経口摂取」(食べること)によって生じると考えられてきました。ですが近年、「経皮感作」と言って皮膚から体内に侵入し、アレルギーを発症するケースもあることが明らかになりました。

アトピー性皮膚炎と皮膚感作

アトピー性皮膚炎の乳幼児がいる場合、同じ空間の中で調理に小麦粉を使ったり、家族が小麦製品を食べるだけで、子どもが食物アレルギーを発症する可能性があります。

そのため乳幼児の食物アレルギーの治療は、皮膚のバリア機能を回復させる治療を優先する傾向があります。

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小麦アレルギーの症状

小麦アレルギーの症状で最も多いのは皮膚症状ですが、他の食品と比較して呼吸器症状が多いのも特徴です。大半は即時型のアレルギーで、食べた直後(15分~2時間以内)に症状が現れます。

小麦粉は空気中に飛散しやすいため、重症の小麦アレルギーでは小麦粉を使用しているキッチンに入っただけで症状を起こすことがあります。

特殊な小麦アレルギーのタイプに、パン屋さんの起こす気管支喘息(Baker’s Asthma)があり、これは小麦粉を吸入することによって起こる気管支喘息で、小麦を食べることでは症状は起きません。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーについて

小麦は食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因食品として最も多い食品です。

小麦製品を食べただけでは症状がでませんが、食後に運動をすることで、アナフィラキシー(蕁麻疹・喘鳴・呼吸困難・嘔吐・意識障害・ショックなど)を起こし、場合によっては命に関わります。

参考資料: 小麦アレルギーとアナフィラキシー  (ファディア株式会社)

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検査方法

小麦アレルギーの検査方法小麦アレルギーが疑われた場合、まずは血液検査(IgE検査)を受けるのが一般的です。
抗体検査ではIgE抗体の有無だけでなく、数値によってアレルゲンの強さを判定します。

検査項目の追加

小麦アレルギーの検査項目の追加IgE検査では自己申請により、小麦の成分である「グルテン」「ω5グリアジン」も調べることができます。

また洗顔石鹸や一部の化粧品に含まれる「加水分解小麦タンパク」に対するアレルギーは、「グルパール19S」という成分を検査します。(限られた医療機関のみで検査可能)

ω5グリアジン(オメガファイブグリアジン)

「ω5グリアジン」の数値が高い場合、小麦粉を食べてアナフィラキシーショックを起こしたり、原因食物を食べた後に運動をすると誘発される食物依存性運動誘発アナフィラキシーを起こす可能性が高いと言われています。

逆に数値が低い場合は、小麦が食べられるようになる可能性が高いとも言われています。

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治療法について

小麦アレルギーの治療法について

厚生労働科学研究班発行「食物アレルギーの診療の手引き2017  」に基づき、治療の原則は「正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物を除去する」です。

以前はアレルゲンの「完全除去+代替食」が主な治療方針でしたが、近年「最小限の除去」に変更されました。

完全除去を続けるよりも、少量でも食べていくほうが食べられる範囲を広げていける可能性が高いことが分かってきたからです。

症状が出ない範囲でアレルゲンを含む食品を食べることは、腸管の中で免疫寛容を誘導して、耐性獲得を早めると期待されています。

ただし自己判断でアレルゲンを口にすることはアナフィラキシーなど危険を伴うので、必ず専門医の指導の元で行います。

  • 正しい判断に基づいた必要最低限の除去食
  • 安全の確保
  • 栄養面への配慮
  • 患児および家族のQOL(生活の質)の維持

経口免疫療法

経口免疫療法は、標準的治療として確立されたものではなく「研究段階の治療法」です。

食物アレルギー診療ガイドライン2016  には「一般診療として推奨しない」と明示され、実施する場合には倫理委員会の承認を得るように勧告されています。

自然に治っていく可能性の低い重篤な患者(およそ5歳以上)を対象に、食物アレルギーを熟知した専門医が、症状が出たときの救急対応に万全を期した上で臨床研究として取り組むように位置づけられ、深刻な事故を起こさないことが最重要課題とされています。

  1. まず、ごく微量を食べてみる負荷試験を行う
  2. 症状を伴わずに食べられる量の上限(閾値)を確かめる
  3. 最初に食べ始める量を決定する
  4. 毎日食べ続け、食べる量をゆるやかに引き上げていく
  • 外来でゆっくり増やしていく「緩徐法」、1カ月弱入院をして一気に増やす「急速法」があります。
  • 目標の設定方法や量を引き上げていくスピードは医療機関によって異なります。