慣れ親しんだ食事の習慣を変えるのは、誰にとっても大変なことです。
しかも知らず知らずのうちに「腸」を傷つけてしまったら、せっかくの努力が水の泡になってしまいます。
誰の「腸」にも当てはまる元気な腸を保つための「大切なポイントを5つ」ご紹介します。
腸活や低フォドマップ食に取り組む前に、ぜひ最後までお読みください ♪
乳化剤をやめてみよう
「乳化剤」はアイスやチョコレート、スナック菓子やプロセスチーズ、パンやめん類など、驚くほど多くの商品に利用されています。
※レシチン(大豆レシチン・植物レシチン)も乳化剤の一種です。
乳化剤は「薬剤」の総称で、主に界面活性剤の役割で利用されています。
厚生労働省は「食品の安全性を確保している」と述べていますが…
近年、乳化剤が腸内の粘膜バリア(粘液層)を薄くし、腸内細菌のバランスを変化させると指摘されています。
この発表はマウスでの実験なので、同様の結果が人間にも現れるかは明らかになっていません。ただし同年、乳化剤と腸内細菌の関与について慶応大学からも同様の見解 が示唆されています。
さらに腸内の粘膜バリア(粘液層)が薄くなると、リーキーガット症候群の発症にもつながります。
「腸」と聞くと、「大腸」を思い浮かべる方が多いかもしれません。 ところが近年、私たちの健康に大きく関わっているのは、大腸よりも「小腸」であることが明らかになってきました。 「小腸」が大事なの?でも「小腸」って何してるんだっけ?![…]
果糖ブドウ液糖をやめてみよう
「果糖ブドウ糖液糖」は、清涼飲料水や炭酸飲料、ソースやタレ類、お菓子やガムシロップなど、甘みを感じるさまざまな食品に含まれています。
「果糖ぶどう糖液糖」には名前の通り「果糖」が多く含まれます。
しかも「果糖ぶどう糖液糖」や「ぶどう糖果糖液糖」に含まれるのは、デンプンからつくられる自然界には存在しない人工的な「果糖」です。
原材料名は量の多い順に表示されているので、例えば上に示したジュース類の場合…
砂糖(甘味料)のFODMAP(フォドマップ)を一覧にまとめました。 「果糖ブドウ液糖」は高FODMAPで「ブドウ果糖液糖」は低FODMAP… どちらも同じ「異性化糖」なのにナゼ?! 「異性化糖」にまつわる疑問をすべて解決します[…]
「果糖」は高FODMAP(フォドマップ)
「果糖(フルクトース)」は発酵しやすく、小腸での吸収が悪い4種の糖質 FODMAP(フォドマップ)の1つです。
お腹に不調を抱える方が「果糖」を摂取すると、小腸で吸収されなかった「果糖」が大腸に送られて、急速に過剰発酵します。
この過剰発酵が大腸内で大量にガスを発生させ、腹痛や便秘の原因になると考えられています。
特にコーラなどの炭酸飲料やスポーツドリンクを常飲している方、コンビニやスーパーなどを頻繁に利用している方の場合は期待大(!)です。
最近の「腸活ブーム」は、「腸をきれいに保つことが若さや健康につながる」と研究で明らかになったからです。 FODMAPを含む食品を摂取すると「腸」にどんな影響を与えるのか、図をもとに説明しますね (adsby[…]
食後のデザートをやめてみよう
「デザートは別腹」といって、食後に果物やスイーツを食べる習慣はありませんか?
食べたものは口から入るとまず胃で「消化」され、そのあと腸に運ばれます。
この「消化」にかかる時間が「食材の種類と調理法」によって異なることが分かっています。
もっとも消化が早いのが「
消化の早いものから順番に胃に入っていけば、食べた順にどんどん消化され、食べたものはスムーズに腸へ流れて吸収されます。
ところが食後のデザートに「
胃の中に消化の悪いものが残っているところへ「
すると、胃の中で果物の酵素による「発酵」が始まります。
悪玉菌の過度な増殖は、腸にとって大きな負担となります。
特に高FODMAPに分類される果物(桃・リンゴ・梨など)を食後に食べると、胃での発酵がより早まるので要注意です。
※乳糖(ラクトース)を含む乳製品(アイスクリーム・ヨーグルト・生クリームを使ったスイーツ)なども同様です。
小腸での吸収が悪く、細菌のエサとなって急激な発酵を起こす「糖質」を総称してFODMAP(フォドマップ)と呼びます。 FODMAPへの耐性は個人差が大きいので、まずは自分の腸に合わない「FODMAP」を見つけることが先決です! 避[…]
果物を食べる最適のタイミング
「
たとえば運動中は体が興奮状態(交感神経が優位)になるので、胃腸の消化能力が低下しますし、ストレスを感じていると体内のビタミンCが失われ易くなります。
- 「朝食」に旬の果物を生のまま ♪
- 運動の「直前」もしくは運動の「休憩中」
- ストレスを感じているときの「おやつ」に
ポイントは胃に負担をかけないよう、食べる「タイミング」と「量」です!
- 果物は空腹時に食べる
- 果物を食べたら、次の食事まで最低30分は時間を空ける
- 1日の摂取量は200gを目安にする
※水溶性の食物繊維「ペクチン」を多く含む「リンゴ・桃・バナナ」は消化が早く、腸の粘膜を修復する効果が期待されています。
ただし短鎖脂肪酸を産生する高FODMAP食品なので、お腹に不調を感じる方はご注意ください。
消化が早い | *中間 | 消化が遅い |
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- ◆ 果物の重さ(目安)を見る
空腹時間を7時間つくろう
食事をしてから4~7時間すると、おなかがグーッと鳴りはじめます。
おなかがグーっと鳴ったあと、腸内では空腹期運動(MMC)と呼ばれるおそうじ活動がスタートします。
空腹期運動(MMC)は、腸内に残った残留物(脱落粘膜・腸液・腸内細菌など)をお掃除する運動のことで、だいたい90分ほどかかると考えられています。
ただし新たに食事を摂ると、胃からの刺激によりおそうじ活動が中断されてしまいます。
便秘がイヤなら寝る前は食べない
夕食後、すぐに横になる(胃に食べ物が入った状態で寝てしまう)と、睡眠時間が「消化」に使われ、小腸のおそうじ活動(空腹期運動)が起きにくくなります。
腸内にはさまざまなものが残っているので、おそうじ活動が行われなければ腸管内が詰まり、便をため込みやすくなります。
逆に寝ている間に腸内がキレイになると、翌朝の朝食後に腸の
※生きている腸内細菌と死んでいるものを含めて推定約1兆個
慢性的な便秘に悩んでいる方は特に、就寝の3~4時間前からは何も食べないのがオススメです。
食事はたのしく食べよう
生き物にとって「食べる」という行為は、生命を維持するのにとても重要です。
そのため食事中にストレスを感じると、交感神経が緊張して免疫力が低下することがわかっています。
- エサを食べようとするたび、ネズミのシッポに電流を流す
- ネズミはひどいストレスを感じる
- これを約1カ月間、食事のたびに繰り返す
- ネズミがひどいアトピー性皮膚炎を発症する
「腸」にはたくさんの神経叢(約1億個)が集中していて、強いストレスは「心」と共に「腸」にもダメージを与えます。
特に小さな子どもの場合、食事中に「こぼしちゃダメ」「残しちゃダメ」「食べ方が汚い」と頻繁に注意されると、ストレスを感じて免疫力が低下してしまいます。
「元気な腸」を保つ1番の秘訣です