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FODMAP(フォドマップ)が腸の悪影響となる仕組み

FODMAP(フォドマップ)が腸の悪影響となる仕組み

最近の「腸活ブーム」は、「腸をきれいに保つことが若さや健康につながる」と研究で明らかになったからです。

FODMAPを含む食品を摂取すると「腸」にどんな影響を与えるのか、図をもとに説明しますね




食べ物と腸の関係

カラダの仕組み

ヒトが食事をすると、口から入った食べ物は以下の順番で体内へ運ばれていきます。

カラダの消化の仕組み

口から肛門までは長い一本の管=消化管(全長約9m)でつながっていて、食べ物(栄養素)や水分と同時に「病原体」も運んでいます。

腸は第二の脳

腸は第二の脳「腸」は24時間絶え間なく働き、ヒトの生命を支えています。

「第二の脳」とも呼ばれる「腸」は、脳からの指令がなくても自己で判断して活動する力を備え、特に「小腸」は、様々な栄養素を細かく消化し吸収する役割と、細菌やウイルスなどから守ってくれる防御システムとしての役割を担っています。

免疫力の約70%は腸でつくられ、「小腸」の機能が良くないと免疫力の低下や精神疾患にも影響を与えると考えられているよ!

FODMAPと腸

通常、食べ物に含まれる「糖質」は、胃や腸で分解されて「ブドウ糖」になり、血液中に吸収されてエネルギーになります。

「糖質」は胃や腸で分解されてブドウ糖になります

ただし消化・吸収がされにくいFODMAP小腸内で吸収されずに大腸まで運ばれて、ビフィズス菌(腸内細菌)のエサとなり「短鎖脂肪酸」を多く産生します。

短鎖脂肪酸は腸に悪影響?!


「短鎖脂肪酸」は悪玉菌の増殖を防ぎ、腸内の炎症をおさえ、脂肪を燃焼させ、さらにがんを予防する…など、私たちの体に良い影響を及ぼすと長年考えられてきました。

そのため、短鎖脂肪酸の産生に有効な水溶性食物繊維を多く含む食品「発酵食品」や「野菜」を多く摂ろうと推奨する声が巷にあふれました。

テレビでよく「ヨーグルトやキムチを食べよう!食物繊維を摂ろう!」って言っているよね…?

ところが近年、慢性的にお腹の不調を抱える人にとっては「短鎖脂肪酸」が逆に腸に悪影響を及ぼすことが明らかになってきたんだよ!

便秘を解消するために、せっせと食べていたヨーグルトや納豆などの「発酵食品」や「食物繊維」が、実はさらなる便秘を招いていたということです。



FODMAPが便秘を招く仕組み

FODMAPが便秘を招く仕組み

お腹に不調のある人FODMAPを摂取する
※FODMAPに耐性があれば、ある程度は吸収できるはずが…
小腸でFODMAPがほとんど消化吸収されない
小腸内のFODMAP濃度が高まる
FODMAP濃度を薄めようと血管内から
大量の水分が小腸に引き込まれる(浸透圧性下痢)
下痢につながる
小腸で吸収されなかったFODMAPがそのまま大腸に送られる
※善玉菌が多ければ、善玉菌のエサになるけれど…
大腸内に「悪玉菌」が多いと
発酵しやすいFODMAPは急速に過剰発酵する
大腸内で大量のガスが発生する
ガスが排出されずに溜まり、腹痛がおきる
大腸の盲腸付近が過度に酸性化される
盲腸付近の動き(排便力)が麻痺する
ガスだけでなく便秘も招く
まさに…悪・循・環っ!!

過敏性腸症候群(IBS)

異常がみられないのに、お腹の不調が続く状態を「過敏性腸症候群(IBS)」と呼びます。
日本では約10人に1人が苦しんでいるとされ、世界的にも患者数が多い疾患です。

ストレスが状態を悪化させるため「気のせいだ」と言われて悩む方も非常に多く、発症の要因はハッキリとわかっていませんでしたが近年、FODMAPとの関連性が明らかになってきました。

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近年、明らかになったこと


胃腸症状の原因は、あらゆる要因が複雑に絡み合っていて、未だに解明できていないことが数多くあります。
医学は常に更新されていくので、これから明らかになっていくこともたくさんあると思います。

低FODMAP食」はすべての人に有効な手段ではありませんが、つらかった下痢や腹痛の症状から解放されて、喜んでいる患者さんが大勢いるのは確かです。

  • 過敏性腸症候群の人は、ラクトバチラス(Lactobacillus)ヴァイヨネラ(Villonella)という腸内細菌を持っていることが多い
  • ラクトバチラスやヴァイヨネラを持っていると、短鎖脂肪酸を過剰に増やしてしまう
  • 短鎖脂肪酸が大腸内で増え過ぎると、下痢や腹痛などの症状を悪化させる
  • 過敏性腸症候群の人は、約50~84%SIBO(小腸内細菌増殖症)を併発している
※2020年現在、わかっている範囲の情報です。
腸を元気に整えるための1つの手段として「低FODMAP食」を上手に活用してください!