小腸での吸収が悪く、細菌のエサとなって急激な発酵を起こす「糖質」を総称してFODMAP(フォドマップ)と呼びます。
FODMAPへの耐性は個人差が大きいので、まずは自分の腸に合わない「FODMAP」を見つけることが先決です!
お腹の不調から解放されて、自分らしく生きるエネルギーを取り戻すために‼
「低FODMAP食」を上手に活用してみてください。
この記事の目次
FODMAP一覧表
※「高FODMAP」と「低FODMAP」の分類は産地や種類によっても差があるため、大学によって一部見解が異なるものがあります。
緑 色 : 低FODMAP食【気にせず食べてOK】
水 色 : 中FODMAP食【量に気をつければ食べてOK】
- 「ぬか漬け」「キムチ」の原材料にFODMAPは含まれませんが、発酵食品であるため「高FODMAP食」に分類されています。
要注意!高FODMAP食材
「高FODMAP食品」の中でも食べる機会が多く、特に影響が出やすいと思われる食材をピックアップしてみました。
「小麦製品」をやめてみよう
「小麦」は発酵性オリゴ糖をたっぷり含んだ高FODMAP食品の代表です。
麦にフルクタンが多いので、小麦だけでなく「大麦・ライ麦」にも注意が必要で、それらが入った「シリアル」もフルクタンが多い食品です。
小麦製品である「パン・パスタ・うどん・ラーメン・そうめん・ケーキ類」などは基本すべて高FODMAP食品です。
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「大豆製品」をやめてみよう
発酵食品として人気の「納豆」、大豆が原料の「絹ごし豆腐・豆乳・きな粉」はガラクトオリゴ糖を豊富に含み、大腸で異常に発酵してしまう高FODMAP食品の代表です。
大豆からつくられた「豆乳」も、ガラクトオリゴ糖たっぷりの高FODMAP食品です。
※大豆抽出タンパク質から作られる海外の「ソイミルク」は低FODMAPに分類されるものもあります。
ただし「木綿豆腐」に限っては、製造過程でガラクトオリゴ糖が抜けるため食べられます。
また同様の理由で「醤油と味噌」も低FODMAP食品になりますが、「味噌」は大さじ約4杯でフルクタンが1日の許容量を超えますので、味噌汁を頻繁に食される方などは注意が必要です。
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※「小豆(あずき)」などは水に浸してから煮たり、市販の「水煮豆」もよく洗ってから使うと、豆の表面に多いガラクトオリゴ糖を減らすことができます。
「玉ねぎ」をやめてみよう
「玉ねぎ」はガラクトオリゴ糖とフルクタンの両方を含み、過敏性腸症候群の最大の引き金と言われる野菜です。
ほんの少量でも影響が出やすいので、「玉ねぎ」に症状が出る方は、同じネギ科の「長ネギ・エシャロット・ポロネギ」、さらに「加工品(ドレッシング等)・オニオンパウダー」も避けた方が良いとされています。
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「ニンニク」をやめてみよう
「ニンニク」もフルクタンを多く含み、少量でも症状が出やすい高FODMAP食品です。
生でも加熱してもフルクタンが減ることはないため、中華料理やアジア系料理、イタリアン料理などは特に注意が必要です。
ただしニンニクに含まれるフルクタンは水溶性で油に溶けないので、油で揚げて香りの移ったニンニクオイルは使用可能です。
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「ヨーグルト」をやめてみよう
腸内の善玉菌を増やすとして【腸活】に代表される「ヨーグルト」ですが、腸が弱い人や乳糖不耐症の人は乳糖(ラクトース)を分解することができず、逆に調子を崩してしまいます。
一般的なヨーグルトは発酵する際、約10%〜30%の乳糖(ラクトース)が乳酸に変えられます。逆に言い換えると、少なくても70%以上の乳糖(ラクトース)がヨーグルトに残っていると考えられます。
ヨーグルトを食べると、牛乳を摂取した時と同じような症状が出ることがあるのはそのためです。
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同じ乳製品でも「チーズ」は、安全なものと避けるべきものがあります。
※クリームチーズなど、やわらかめのチーズは乳糖が多く高FODMAPな場合が多いです。
「低FODMAP食」実践中や、乳糖不耐症の方でも食べられるチーズを一覧にまとめました。 乳製品によるお腹の不調、乳糖不耐症が起きる主な原因は牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を体内で上手く分解できないからですが、製造過程で乳糖(ラクトー[…]
「リンゴと梨」をやめてみよう
果物の中でも「リンゴ」と「梨」は果糖(フルクトース)を含む代表的な高FODMAP食品です。
果糖が多いだけでなく、消化・吸収の悪いポリオール(糖アルコール)も多く含まれ、1日の許容量は「リンゴ」で約1/10個(20g)、「梨」はわずか5gです。
お腹の調子が悪い人はできるだけ避けてください。
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「サツマイモ」をやめてみよう
不溶性食物繊維が豊富で、整腸作用が期待されている「サツマイモ」ですが、消化・吸収の悪いポリオールを多く含んでいるため、お腹の調子が悪い人にとっては逆に悪影響になる可能性が高いです。
1日に約1/2個(100g)で許容量を超えてしまうので、もしも食べる場合は量に気をつけてください。
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「キノコ類」をやめてみよう
「キノコ類」は一度に大量に食べる機会が少ないので見落とされがちですが、消化・吸収の悪いポリオールを多く含んでいます。
ポリオールは分子量の大きさや性質から小腸での吸収が悪く、さらに大腸で腸内細菌のエサとなって発酵を促進させます。
ポリオールは「さやえんどう・カリフラワーなどの野菜」にも含まれているので、不調を感じる方はこれらも避けた方がよいかもしれません。
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「アボカド」をやめてみよう
低糖質で栄養価が高く、健康志向の方に人気のある「アボカド」も、消化・吸収の悪いポリオールを多く含んでいます。
1日の許容量は30gで約1/6個です。他の食品をやめても大きな改善がみられない方は控えてみてください。
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「ハチミツ」をやめてみよう
「ハチミツ」は果糖(フルクトース)を多く含み、約小さじ2杯(14g)で1日の許容量を超えます。
「菓子類や甘い飲みもの(はちみつレモンなど)」に含まれていることが多いので、お腹の調子が悪い人は注意してください。
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人工甘味料に注意
「ポリオール」は人工甘味料として「ダイエット・低糖質・シュガーフリー」などの表示がある食品に多く含まれています。
ガムやミント菓子に含まれる「キシリトール」も糖アルコールの一種で要注意です。
FODMAPの考えかた
私たちの腸にいる「腸内細菌」の種類やバランスは個人差が大きく、FODMAPへの耐性も千差万別…!顔や体型と同じで、人それぞれ異なります。
今は食べられない食品も、「腸内細菌の変化」によって(少量なら)食べられるようになる場合もあれば、問題のない食品が日々の不摂生や食べ過ぎ・偏食などの蓄積よって、いずれ不調の原因となる可能性もあります。